2月12日(日)14:30〜、ほてる大橋 館の湯にて「岩室温泉開湯300年祭へ向けた座談会」が開催されました。
古田秘馬さん(株式会社umari代表取締役/プロジェクトデザイナー)を迎えて「これからの街づくりと観光の在り方について」と題した基調講演を行い、その後、座談会が行われました。
古田さんは、「何も作らない、何も壊さない、そこにあるものをどう活かすか」という姿勢でこれまで様々なプロジェクトを立ち上げてきました。
「八ヶ岳の日本一の朝プロジェクト」では、地域に入っていいところを聞いていくと、「自然」、「アート」、「別荘」など売り出したいテーマがいくつも出てきたという。
しかし、地域の人が共通していうのが「朝の時間」ってすごく良いよね、ということだった。そこで、朝焼けを見て、雪解け水で、珈琲を飲もう!ということから始まり、「朝の時間」を使った様々なイベントを仕掛けてきたそうです。
「丸の内朝大学」では、丸の内エリアに通勤する人の多くが「朝の通勤電車」は苦痛だというところから始まりました。そこで、通勤ラッシュより1時間早く、丸の内に集まって、仕事前のオフィスを借り、学びの時間を作ろうというこから、「丸の内朝大学」となったそうです。既に卒業生の数は5,000名を超えたとのこと。
誰のためのものか?というターゲットを明確にすることの必要性に話が及ぶと、「D30」というサイトが挙げられました。これはデブで体脂肪率が30%以上の人のための情報交流サイトでターゲットが明確であるとのこと。サイトでのライターやカメラマンへの報酬も「お金」ではなく、「お肉」で払われるそうです。太った人にとっては「村上牛10,000円分」のほうがより「価値」があるとの思いから。
「地域活性化とは?」と参加者に質問が投げかけられると。
隣近所のコミュニケーションがとれていること。
住んでいて楽しいこと。
仕事があること。
などがあげられました。
しかし、答えはなくて、それは住んでいる人自身が探し、決めることが大切になるそうです。
「地域ブランドとは?」
これまでは、、、
何をブランド対象とするか? 「観光地や名物」
顧客との関係性は? 「一過性」
ブランドの目的は? 「経済的拡大」
評価のポイントは? 「集客人数・経済効果」
コミュニケーションは? 「一方的・単発的」
地域と企業の関わりは? 「短期的・直接的」
であったのを
これからは、、、
地域の取り組み、人々そのものをブランドの対象として、
長期的、継続的にお客さまと関わっていき、
地域の人自身が誇りを持って、新しいものが生まれる土壌をつくり、
経済効果と心の満足度と継続性で評価し、
双方向でストーリーがあり、巻き込み型でコミュニケーションをし、
長期的、複合的に関わっていくことが重要。
その他も1時間という限られた時間の中で盛りだくさんのヒントをいただきました。
そして、座談会へ。
岩室温泉地域から、行政の人、旅館の人、商店の人、自治会の人などなど多様な人があつまりました。
岩室夏祭りやホタル祭りのときの岩室の居心地の良さがあげられると、逆に運営側の苦労話もあがるなど、様々な意見・情報交換の機会になりました。
まずはやる人自身が楽しいと思えること、そして、地域の人が喜び、誇りを持てることから始めるのがいいのでは?という意見がありました。
三〇〇年祭にちなんで、300コのマイプロジェクトをやってみるとか。
最後に、300年だからやらなければいけないとか、行政からの助成金があるからやるとかではなくて、自分のお金を払ってでもやるか?が大切。好きなことをやらせてもらっている責任はとらなければいけない。との古田さんからのアドバイスも。
岩室温泉開湯300年祭運営委員長・石添さん、今回の座談会の発起人。